「だれとでも定額パス」はW-SIMの夢を見るか？

携帯・PHS

WILLCOMからまたユニークな端末「だれとでも定額パス」が発表されました。
・製品｜Y!mobile - 格安SIM・スマホはワイモバイルで
・『だれとでも定額パス』WX01TJ | TJC株式会社


端末自体には通話に関する機能を持たずBluetoothでペアリングしたAndroidスマートフォンで利用するというもの。
twitterの反応を見ていても色々な使い方が想定されそうです。
普段ドコモを使っているけれど「だれとでも定額」を使いたい人、格安データ通信SIMで利用している端末と合わせて使いたい人、他にも色々ありそうですね。

公式ページやメーカーページを見ても、「薄さ5.5mmのスリムボディーで、クレジットカードとほぼ同じコンパクトサイズ」「ネックストラップにIDカードと一緒に一緒に付けられる」（←大事なことなのでたぶん2回言ったんだと思うｗ）という表記もあるように企業の法人利用も視野に入っているんでしょう。これなら端末代も削減できるし使用する側も自分の使い慣れたスマートフォンで利用できるメリットもあるでしょうね。

自分も回線を集約して今持っている色々な端末で使えるなーとか、スマートフォン側が故障しても他のスマートフォンで代替できるなどのメリットを思いつきます。


そして自分が一番感じたことが、これは「入れないW-SIM」なのではないかということ。
WILLCOM好きなら誰もが知っているW-SIM。
・製品｜Y!mobile - 格安SIM・スマホはワイモバイルで

WILLCOM初のスマートフォンW-ZERO3や音声端末nico.や9(nine)、またデータ通信カードにも差し替えて使えるということに誰もが果てしない可能性を感じていたと思います。
WILLCOMも「これで通信の知識がない会社でも端末を簡単に作れる」ということで新規参入を呼びかけていましたが、通常のラインナップ製品以外ではpapipo!やスーパーワンセグTV Watchなどのちょっと変わった端末が数台出た程度だったと思います。

WILLCOM好きな人たちは「ガワ」と呼ばれる端末がどんどん出てきて毎日いろんな端末に差し替えて使えるというのを夢見ていたのですが、実際にはラインナップはどんどん絞られ機種変更をしようにも端末が無い、W-SIMでは「だれとでも定額」を契約できない、はてはW-SIM自体もラインナップから消えるという事態に。
現在のWILLCOMでは「なかったこと」にされようとしています。


今回「だれとでも定額パス」が発表された訳ですが、これを見てコンセプトとしてはW-SIMの考えに近いのかなーと感じました。
もちろんユーザーとしては「WILLCOMから面白いガワが提供される」ということにワクワクしていて望んでいた訳で現在の「だれとでも定額パス」とは意味が違っています。が、逆の目線でWILLCOM側から見ると「契約回線を増やす」という意味ではとても理にかなっているのではないかと思うのです。なぜならW-SIMが普及しない・できなかった理由の一つに「使い回しができるガワを作ったところでWILLCOMにはメリットがない」ということがあったと思います。
WILLCOMとしては「これで通信のことを気にしないでどんどん端末メーカーさん参入してね」だったと思いますが実際にはガワを売ったところで回線契約が増える訳でもなく、回線契約が発生しない高いガワを売らなくてはいけない、結果数もさばけずと悪い循環に陥っていたような気がします。今回の「だれとでも定額パス」では当初の趣旨とは違いますが「端末は他のメーカーが作ってくれる」というところでは限りなく一致していると思うのです。
本来はWILLCOMがおもしろい端末を出してくれればいいのですが、携帯会社との体力の違いやデータ通信のスピードの差から見てWILLCOM専用の端末を作るというのはなかなか難しいのかなと感じます。それなら他の会社が一生懸命作ってくれた「良い端末」に自分たちのメリットである「だれとでも定額」を追加してあげて回線獲得した方がよっぽど得策でしょう。
そんなことを考えると「だれとでも定額パス」は現代のW-SIMになれるかな？とちょっと夢を見てしまうのです。

もちろんBluetoothで繋がなくてはいけないことによるスマートフォン側のバッテリーの減りの問題や、常にスマートフォンと一緒に持たなくてはいけないなどのデメリットがあるので本当に一般受けするか？というと怪しいかなぁとは思っていますが、これが成功することによって「だれとでも定額パス」にルーター機能が付いてデータ通信できるようになったりしたらそれこそW-SIMに近くなっていくのかなーなんてことも考えてしまいます。

とりあえずこういう変わった端末を考えつくのはWILLCOMの良いところだと思いますのでこれからもどんどんアッと言わせることをやってほしいですね。
がんばれ！WILLCOM！！